あきよししまの人生記録

私の人生ややこしい。いろいろと煩わしい心の中、断ち切るすべを模索中。

始めて見た母の泣き顔

いまだに詳しく聞いたことはないが、両親は見合い結婚で、どうやら父は母方の祖父と同じ会社に勤めていて、祖父が父の上司だったらしい。そんな縁で母とのお見合いという運びになったみたいだ。小さい頃の私は活発でおてんば、人見知りなどとは無縁だったので、突然外で見知らぬ人に話しかけたり、タンスの上から飛び降りたり、押し入れの襖に落書きしたりしてしょっちゅう母にお尻を叩かれていた。今そんな光景を見たら、虐待と勘違いされかねないのかな。ただ、私は小さいながらも愛情ゆえに怒られてることは理解していたと思う。生まれてから5歳くらいまでの記憶はあんまり残っていないのだけれど、一つ強烈にあるのが、4,5歳の頃のある日、母と弟のかなめと私とで家に居ると、家に女の人が来て、母と何かを話した後、母が私に、「お母さん、これから出かけなくちゃならないから、おばちゃんと一緒にいてね。」と言って、さっと支度をして出て行ってしまった。私は自分がどんなリアクションをとったか覚えていないが、とても怖かった。それよりもびっくりしてしまった。なぜなら母が泣いていたからだ。その後、その女の人が私をなだめてくれて、多分私が、母はどこに行ったのか、なぜ泣いていたのかをその人に聞いたのだろう。「お母さんね、おばあちゃんのおうちに行ったの。お母さんの弟さんがね、死んじゃったんだって。しまちゃんだってかなめちゃんが死んじゃったら悲しいでしょう、泣いちゃうでしょう。」と言われたことはよく覚えている。よくわからないながらも、もうシゲちゃんに会えないんだなあ、と思っていた。そしてあの女性は父が会社から帰って来るまで私たちを世話してくれたのではないかと思うのだが、もし、まだご存命なら、あの時のお礼を言いたい。当時、私たちは父の会社の社宅に住んでいて電話が家になかったので、この人は管理人か何かだったのだろう。