あきよししまの人生記録

私の人生ややこしい。いろいろと煩わしい心の中、断ち切るすべを模索中。

父の実家

父は11人兄弟の6番目、四男で、物心ついた頃は敗戦直後で貧しく、兄弟も多かったことから中卒で東京に働きに出たそうだ。口数の少ない穏やかな人だが、決して陰気な感じはなく、実は人なつっこい。いつも人を気にかけて自分が出来る最大の事をしてくれるタイプなので、友達も多い。母方の祖父母とも仲が良かった。

お正月に父の実家で叔父や叔母の家族、みんなで集まると本当に人数が多くて大騒ぎ、でも子供心にも父の大勢の兄弟の仲の良さにすごさを感じていた。叔父も叔母も子供の私たちをみんな平等に扱ってくれた。兄弟喧嘩どころか誰かが誰かの悪口を言っているのを見たこともなかった。そしてそれは今も続いている。父は時々、貧しい中子供が多かったのに一人の子供も死なせなかったうちの親はすごい、と言っていたが、本当にその通りだ。祖母はとても小柄で痩せていたが、あの痩せた身体のどこに貧しい戦争時代を11人の子供を育て上げるバイタリティがあったのだろう。その血を継いでいるというのにすぐ、くじけたり迷ってばかりの自分は情けない。祖父が家の裏の方の納屋に自家製の納豆を保存し、様子を見に行っては大切そうにしていた姿を覚えているが、ずーっと後になって父から「じいちゃんはよく納豆を作ったけど、自分は嫌いで食えなかったんだ。」と聞いてびっくりした。