あきよししまの人生記録

私の人生ややこしい。いろいろと煩わしい心の中、断ち切るすべを模索中。

どうして誰も吐き出さなかったのだろう

ある日の休日、父と弟とお昼にラーメンを食べに行った。店は混んでいて席が空くのを少し待ったが、次が私たちの番、という時にパッと横入りされ、中年の男女に座られそうになった。その時父がその人達に寄って行って、「うちの番ですよ。」みたいに言うと、その男の方に「うるさい。すぐ空くから待てんだろ。」と言われ、なんと、あの父が男に「ちょっと、表に出ろ。」と言ったので、私と弟は茫然としてしまった。このままでは喧嘩になる、と焦ったが、タイミングよく、他の席が空いたので、私は父を引っ張ってその席に座らせた。

その後は誰もそのことには触れずにいたが、私は「お父さんもお母さんが心配で、怖くて、どうしていいかわからないんだろうな、でもきっと男だから泣けないよな、かわいそう。」と思っていた。

母も一時退院できた時に家で私と父方の祖母と過ごしていると、何がそうさせたのかわからないが、急に泣き出し弱音を吐いた。ショック過ぎてなんと言ったかは覚えていないが、おばあちゃんが母の肩を抱いて慰めていた姿は今だに頭から離れない。

ある日突然死を突き付けられ、幼い子供二人を残して逝くかもしれない恐怖と絶望を人の前では押し殺し、ずっとずっと我慢してきたのが、その時耐え切れなくなったのだ。私もあの時泣いたのだろうか?ショック過ぎたのか、思い出せない。

今まで見たこともない父と母を見て、どうしてみんなみんなこんなに我慢してしまうんだろう、と自分の事ですら不思議に思った。